経営するにあたって、よく言われるのが「安売りはすべきではない!」ということです。
確かに「安売り=集客力」という考え方はあります。しかし、それがうまくいくのは最初だけで、いずれは様々なものが犠牲になっていきます。安い値段ゆえに、社員からの搾取、取引先からの搾取といった歪みが生じ、結果として事業全体の質が低下してしまうのです。さらに、安売りばかりしていると、僕らの整体業界でもよくあることですが、質の低い客層が押し寄せるようになるという現象が起きます。冷やかし半分の来客も増え、こちらのモチベーションはただ下がるばかり。誰も幸せにならない、負のスパイラルに陥るのです。
だからこそ、経営がうまくいっている事業者は「付加価値をつけて、高い値段でしっかりと売る」という勇気を持っています。僕自身も整体院の経営をしていますが、まだまだその勇気を持ちきれていない部分もあり、日々試行錯誤です。
そして、僕だけの考えかもしれませんが、この「安売り」という考え方は、お金だけではなく“時間“にも当てはまると思っています。「“時間も“安売りすべきではない!」のです。
ここで、少しぶっちゃけます!ディスります!(笑)
整体院を経営していると、ごくたまに「飛び込み客」がやってきます。突然ドアが開いて、「今からできる?」と聞かれることがあります。
しかし!整体というのは、そんなに簡単に始められるものではありません。特に当院は、ガッチリ!全力投球!の“ハードコア整体!“。施術中はいつも汗だくになるほど本気で向き合っています。だからこそ、僕は白衣なんて着ません。ステテコ&Tシャツスタイルが基本(冬でもユニクロのエアリズム!笑)。つまり、それくらい“真剣勝負“で整体をしているわけです。
例えば、ボクシングの試合を思い浮かべてみてください。いきなりリングに上がって「さあ、やるか!」とはならないですよね? 数カ月前から入念に練習し、準備を重ね、試合当日に向けてコンディションを整えます。病院の手術でも同じこと。ガンの手術などは、事前に綿密な検査と術前計画を立てたうえで挑みます。
整体も同じだと私は思います。事前の心構え(波動や気の調整)や準備があってこそ、ベストな施術ができるのです💪
そのため、新聞広告やホームページなどあらゆる媒体で、「完全予約制」や「飛び込みはお受けしていません」と明記しています。だからこそお客様側に対しては、電話・フォームからのお問い合わせ、予約受付フォーム、予定速報の配信など、できる限りの対応をさせていただいているつもりです。施術内容も部位別に写真付きで細かく記載しています。
(初来院のお客様にお渡しする営業案内:「飛び込みは×」ときちんと明記しています。)
(地域新聞に掲載している広告:「完全予約制」ときちんと明記しています。整体料金は2025年4月時点の価格です。)
(ホームページの魚拓画面:「完全予約制」「飛び込みは×」と明記する代わりに、予約受付フォームや予定速報のページを設けたりなど最大限の対策を講じています。)
(施術内容も細かく記載しています:当院ホームページより一部抜粋)
それなのに「今からできる?」とか、「(腰痛なんだけど)詳しくやり方を聞きたい」と突然言われると、正直「何だかなぁ~」と思ってしまうんでよね。今やほとんどの方がスマホを持っていて、ホームページで事前に確認できるはずなんです。そのほうがお互いにとって最善だと思うのですが♪
あと、これは余談になりますが、経営的な裏話としてお話しします。当時所属していた整体団体の師範のような方から、
「12時半に予約電話が入ってきて、13時が空いていたとしても、“すぐには空いていません“と言って、17時以降で案内しなさい(笑)」
と教わったことがあります。このアドバイスに対し「なぜなんだろう?」と不思議に思っていると、その理由についても師範は続けて、
「あまりにも混んでいないと思われてしまうと、かえって信用度が下がるし、客のペースに振り回されるようになり、整体院としての方向性を見失う。結果的に衰退していくからだ」
と説明していたと記憶しています。
まあ、経営戦略としての高度な駆け引きができてこそ、経営者としても整体師としても、一歩成長できるのかな~と感じる今日この頃です(^^)。
(玄関フードに掲示している「ご予約の入れ方」を、A4サイズ → A3サイズ にしようかと考えております。)