縄文的価値観を取り戻す[後編]:ガイアの法則から考えてみた

こんにちは。前回の「 縄文的価値観を取り戻す[前編]:皆で輪(和)を作る時代へ 」では、ユニクロの柳井社長が提唱する移民受け入れなどのグローバリズム的な価値観に対し、事業家の前澤友作氏が「日本らしさ」が今後の国力の鍵になると反論した点に触れました。そして、僕は縄文時代の価値観である共有や共同体精神を見直し、古代からの知恵を再評価することを提案しました。

今回の後編では、日本の作家・千賀一生氏が提唱した理論[ガイアの法則]に焦点を当て、現代や未来の社会について、より広い視野で考えてみたいと思います。

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まず、「ガイアの法則」について簡単に説明します。この法則は、地球を一つの生命体と捉え、その中で人間文明にもバイオリズムや寿命が存在するという考え方を基にしています。千賀氏は、生命に寿命があるように、文明にもバイオリズムと寿命があると提唱しています。

この理論によれば、文明の繁栄と衰退には一定の周期があり、文明が発展する地域やその影響力が時間とともに変化していくという観点があります。特に、千賀氏は文明の興亡が「緯度の移動」によって影響を受けると考えており、歴史の中で文明の中心が西洋と東洋の間で約800年ごとに交代してきたと主張しています。

「ガイアの法則」の背景には、地球全体を有機体と見なし、その生命力やバランスが文明の興亡に影響を与えるというガイア理論に通じる視点があります。千賀氏はこの理論をもとに、文明の変遷や未来の展望を独自の視点で予測しています。

ガイアの法則は、スピリチュアルな視点と歴史学的な視点を交え、人類史を壮大なスケールで捉えています。

この「文明の繁栄と衰退の周期」は、約800年ごとに東洋と西洋の文明が入れ替わるという千賀氏の仮説に基づいています。

以下に「ガイアの法則」の主要なポイントを簡単に説明します。

◆ 800年周期の入れ替わり ━━━━━

千賀氏は、文明の発展と衰退が約800年ごとに西洋と東洋の間で交代して起こると考えています。この法則によれば、文明の中心が東西を移動し、新たな文明が台頭し、古い文明が衰退するというサイクルが繰り返されるのです。

例として、以下のような文明の変遷が見られます。

西洋周期 : エジプトやメソポタミアなど、西洋の初期文明が繁栄しました。これらは後にギリシャやローマに影響を与えました。
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東洋周期 : 西洋から東洋に文明の中心が移動し、中国の周や秦、漢王朝が栄えました。また、インドでもマウリヤ朝やグプタ朝が隆盛を誇りました。
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西洋周期 : ローマ帝国やビザンティン帝国が栄え、キリスト教が西洋世界に新たな力を与えました。
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東洋周期 : 中国では宋、元、明、清などの王朝が発展し、東洋の時代が到来しました。
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西洋周期 : 大航海時代から西洋文明が再興し、産業革命や科学技術の発展により、欧米諸国が世界をリードしました。

◆ これからの展望 ━━━━━━━━━

千賀氏は、21世紀に入ると再び東洋が文明の中心となる時代が訪れると予測しています。具体的には、日本や中国、インドなどの東洋諸国が次の800年の間に世界の主導的な役割を担うと考えています。この予測は、現在のアジア諸国の経済的台頭とも一致しており、東洋の文化や精神性が再び重要な役割を果たすと予測されます。

「ガイアの法則」は、歴史を大きな視点で捉え、未来を見通そうとする試みです。文明の交替理論は、特定の出来事や技術革新によって文明の中心が移動し、それが人類史に大きな変革をもたらしてきたと考える点で非常に興味深いものです。

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以上が「ガイアの法則」についての概要です。皆さんはどのように感じましたか?これまでの大航海時代以降のトップダウン型の社会運営は、ある程度までは機能してきましたが、いずれ行き詰まる時が来ると思うんですよね。次に必要なのは、仏教的(お釈迦様的)な東洋文明の思想なのかもしれません。特に、縄文的な価値観である[和の心]が、これからの時代に力を与える鍵になるのではないかと感じています(^^)。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。